Pro
Toolsのミックスをリアルタイムでスマートフォンで聴く方法

レコーディングスタジオでの作業中、クライアントやバンドメンバーがコントロールルームから離れた場所でミックスを確認したいというシーンは珍しくありません。ブース内のミュージシャンに仕上がりを聴かせたい、あるいは廊下やロビーにいるアーティストにリアルタイムでフィードバックしてもらいたい——そんなときに役立つのが、Auxfeedです。

Auxfeedは、Pro
Tools(AAX対応)をはじめとするDAWから音声をリアルタイムにストリーミングし、iPhoneやAndroidのスマートフォンで受信できる無料のシステムです。Audiomovers
LISTENTOの代替として設計されており、サブスクリプション不要で同等のモニタリング体験を提供します。


なぜPro
Toolsのリモートモニタリングが必要か

日本の多くのレコーディングスタジオでは、Pro
ToolsがDAWの中心として使われています。コントロールルームとトラッキングブースが完全に分離された環境では、エンジニアがミックスを調整しながら、同時にミュージシャンや音楽ディレクターにその変化をリアルタイムで聴かせることが求められます。

従来の方法では、タークバックシステムや専用のモニタリング設備が必要でした。しかし現実には、予算の制約やスタジオのレイアウト上の問題から、全員が同じタイミングで同じミックスを聴ける環境を整えるのは簡単ではありません。

Auxfeedはこの問題をシンプルに解決します。プラグインをPro
ToolsのAUXバスにインサートし、スマートフォンのアプリを起動するだけ。20ms以下のレイテンシーで、ワイヤレスによるリアルタイムモニタリングが実現します。


仕組み:4ステップで始めるセットアップ

ステップ1:プラグインをインストールする

auxfeed.com
から無料のAuxfeedプラグインをダウンロードします。macOS版はAAX(Pro
Tools用)、VST3(Cubase、Studio One等)、AU(Logic
Pro用)に対応。インストーラーを実行するだけで、次回Pro
Tools起動時からプラグインが使用可能になります。

ステップ2:Pro
ToolsのAUXバスにインサートする

Pro
Toolsを開き、マスターバスまたはモニタリング用のAUXバスにAuxfeedプラグインをインサートします。プラグインのウィンドウにはポート番号が表示されます。この番号は後で使います。

ステップ3:スマートフォンでアプリを起動する

iPhoneまたはAndroidスマートフォンにAuxfeedアプリをインストールし、起動します。プラグインを挿入したMacと同じWi-Fiネットワークに接続していれば、アプリが自動的にPro
Toolsセッションを検出します。

ステップ4:接続してモニタリング開始

アプリに表示されたセッションをタップするだけで接続完了。Pro
Toolsで再生またはレコーディングを開始すると、ステレオのオーディオがリアルタイムでスマートフォンに届きます。


Pro
Toolsユーザーに知っておいてほしいこと

AUXバスへのインサートが推奨
プラグインはAUXセンドまたはマスターバスにインサートするのが最も確実です。個別のトラックにも使えますが、ミックス全体を送る場合はマスターアウトか専用のモニタリングバスを使うのが理想的です。

サンプルレートはPro Toolsのセッション設定に追従
Auxfeedは44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHzに対応しています。プラグインはPro
Toolsのセッションサンプルレートを自動的に検出するため、手動での設定変更は不要です。

コーデックの選択
デフォルトはOpusコーデックで、Wi-Fi環境では高品質かつ低レイテンシーを両立します。最高品質が必要な場合はPCMロスレスも選択可能ですが、帯域幅を多く使用します。

AAXプラグインとして完全対応
Auxfeedは正式なAAXプラグインとしてコード署名済みです。Pro Tools
2023以降での動作を確認しています。


スタジオでの実際の使い方

シナリオ1:ボーカルレコーディング
ボーカリストがブースに入ったとき、エンジニアはコントロールルームでPro
Toolsを操作します。バンドメンバーがロビーや廊下で待機している場合でも、Auxfeedを通じてミックスをリアルタイムで聴くことができます。レコーディングの進行状況を把握しながら、次のテイクに備えられます。

シナリオ2:A&Rや音楽ディレクターへのプレビュー
レーベルのA&Rや音楽ディレクターがスタジオを訪問した際、コントロールルームに入らなくてもスマートフォンでミックスを確認できます。会議室や別の部屋でリモートモニタリングしながらフィードバックを伝えることが可能です。

シナリオ3:宅録とのハイブリッドセッション
同じWi-Fiネットワーク内であれば、スタジオ内の複数のスマートフォンが同時に接続できます。セッションを一緒に確認しながら、コメントしたいタイミングでスタッフルームから声をかけるといった使い方もできます。


Audiomovers LISTENTOとの比較

Audiomovers
LISTENTOはプロのリモートモニタリングツールとして広く使われており、クオリティも高い製品です。ただし、フルアクセスには月額サブスクリプションが必要です。

Auxfeedは完全無料で、Wi-Fi環境内での基本的なモニタリング機能をすべて提供します。インターネット経由のリモートストリーミング(リレー経由)もサポートしており、スタジオ外のコラボレーターにもミックスを届けることができます。


インターネット経由のリモートモニタリング

同じWi-Fiネットワーク内だけでなく、インターネット経由でもミックスを共有できます。Auxfeedのリレーサーバー(relay.auxfeed.com)を使えば、離れた場所にいるコラボレーターやクライアントにもリアルタイムのミックスを届けることが可能です。この機能はAuxfeed
Proプランで利用できます(月額$9.99 / 年額$79.99)。


まとめ

Pro
Toolsのリモートモニタリングは、これまで高価な専用機器やサブスクリプションサービスが必要でした。Auxfeedはその敷居を下げ、スタジオの日常的なワークフローに自然に組み込める形でリアルタイムモニタリングを提供します。

プラグインのインストールから最初の接続まで、5分とかかりません。まずは無料で試してみてください。

Auxfeedの無料プラグインは auxfeed.com
からダウンロードできます。